山形県大石田町の次年子地区には、信楽伝統工芸士がこだわりをもって探し求めていた、作陶の条件がすべて揃っていました。「大型陶器を造れる良質な粘土と水が豊富にあること」。そして「自然の中で製作に没頭できる環境があり、ある程度のスペースがある場所であること」。このほか、見えないものや言葉では言い表せない事柄に魅了されてしましました。地名の由来の通り、“子供が誕生しても役場に届けられるのは次の年になる”というほどの豪雪地帯。現在は蕎麦の村といわれるほど有名になり、近県から蕎麦通が押し寄せます。水質のよさがおいしい蕎麦の一因かもしれません。ここも過疎化により小学校が2005年に閉校になり、2012年取り壊しの予定であったところ、「新窯」築造が許可されて、趣のある円形3階建校舎をそのまま工房として使用することとなりました。